BtoB営業では、商談から成約、請求、入金確認までの一連の流れの中に、インボイス制度への対応が組み込まれるようになった。営業代行を活用している企業では、営業担当と経理担当の間で情報の受け渡しが発生するため、フロー全体を見直しておかないと請求業務が滞ることもある。ここではBtoB営業の実務フローに沿って、インボイス対応との関わり方を整理する。
BtoB営業プロセス全体の流れ
一般的なBtoB営業のプロセスは、概ね次のような段階を経る。
- リード獲得・アポイント設定(営業代行が担うことが多い工程)
- 商談・見積提示
- 受注・契約締結
- 納品・請求書発行
- 入金確認・売掛金管理
インボイス対応が直接関わってくるのは主に4以降の工程だが、実は見積段階から税率区分を意識しておかないと、後工程で手戻りが発生しやすい。
営業代行を挟む場合に生じやすい情報の分断
営業代行に初期のアポイント獲得や商談を委託していると、見積内容や取引条件の情報が営業代行側・自社の営業部門・経理部門の三者に分散しやすい。
ポイント:見積書の税率区分や取引先の登録番号確認を、営業代行の商談段階から意識できているかが実務のカギになる。
| 工程 | インボイス対応で意識したい点 |
|---|---|
| アポイント設定 | 取引先の規模・取引形態の基本情報を把握しておく |
| 商談・見積 | 税率区分(標準税率・軽減税率等)を明確にした見積を作成 |
| 契約締結 | 支払条件・請求書発行タイミングを合意しておく |
| 請求書発行 | 登録番号・税率ごとの税額を記載した適格請求書を発行 |
| 入金確認 | 請求内容と入金額の突合を行う |
フローを円滑にする実務上の工夫
営業代行会社と自社の経理システムが連携していない場合、商談情報の二重入力や記載漏れが起きやすい。CRM上に取引先の登録番号や税率区分の情報をあらかじめ登録しておく、営業代行から自社への引き継ぎ時に見積内容のチェックリストを使うといった運用が、実務では有効とされている。
委託先とのすり合わせで確認したいこと
営業代行会社に見積や契約条件の一次対応まで任せている場合、インボイス制度に関する基本知識を委託先の営業担当にも共有しておくと、商談段階での誤案内を防ぎやすい。特に取引先が免税事業者である可能性がある場合の扱いなど、経理部門と事前にすり合わせておくべき論点は少なくない。
実務フロー見直しのすすめ
インボイス制度への対応は経理部門だけの課題ではなく、営業代行を含めた営業プロセス全体の設計に関わってくる。商談の初期段階から請求書発行までの流れを一度棚卸しし、情報の受け渡しポイントを明確にしておくことが、後工程でのトラブルを防ぐ近道になるだろう。
よくある質問
Q. 営業代行会社にインボイス制度の知識を求める必要はあるのか A. 直接の請求実務を担わない場合でも、見積段階での基本的な理解があると後工程の手戻りを減らしやすい。
Q. 見積書の段階で税率区分を明記する必要はあるのか A. 必須ではない場合もあるが、後の請求書作成の手戻りを防ぐため、早い段階から意識しておくことが望ましいとされる。
Q. CRMと経理システムを連携させるメリットは何か A. 取引先情報や税率区分の二重入力・記載漏れを減らせる点が主なメリットとして挙げられる。
Q. 取引先の登録番号はいつ確認するのが望ましいか A. 契約締結前後の早い段階で確認しておくと、請求書発行時の手戻りを防ぎやすいとされている。