新規開拓の手法として、メール配信とテレアポは長らく別々の施策として扱われてきた。しかし近年は両者を組み合わせ、メールで関心を醸成した見込み顧客に対してテレアポで踏み込むという流れが一般的になりつつある。単独で使うよりも反応率が高まる傾向があるとされ、多くの企業が組み合わせ運用を試している。
なぜ組み合わせが有効とされるのか
テレアポ単体では、面識のない相手にいきなり電話をかけるため警戒されやすい。一方でメール配信は開封や記事閲覧といった行動データが取れるものの、そこから商談化までの距離は遠いことが多い。両者を組み合わせれば、メールで自社の存在や課題認識を先に伝えたうえで、電話ではその文脈を踏まえた会話ができる。結果として、いきなり電話をかけるよりも心理的なハードルを下げられる可能性がある。
基本的な設計の流れ
一般的な設計は、次のようなステップを踏むことが多い。
- ターゲットリストへメールを配信する
- 開封・クリックなどの行動データを取得する
- 反応があった相手を優先度の高いリストとして抽出する
- 抽出したリストに対してテレアポを実施する
ポイント:全員に電話するのではなく、反応の濃淡で優先順位をつける
この設計であれば、限られたテレアポ人員のリソースを反応度の高い相手に集中させられる。逆に反応がまったくない相手への闇雲な架電は、成約率が伸び悩みやすいという指摘もある。
タイミング設計のコツ
メール配信からテレアポまでの間隔も成果に影響しやすい。配信直後は記憶に新しいため接触しやすい半面、間隔が空きすぎると内容を忘れられてしまう。一般的には配信から数日以内、目安として2〜3営業日以内に架電するケースが多いようだ。
| フェーズ | 目安の間隔 |
|---|---|
| 初回メール後の架電 | 2〜3営業日以内 |
| 未開封者への再送 | 1週間程度後 |
| 開封済み未反応者への架電 | 開封から数日以内 |
運用面での注意点
組み合わせ運用を成功させるには、メール担当とテレアポ担当の間で情報が分断されないことが前提になる。誰がどのメールに反応したかが電話担当者に共有されていなければ、せっかくの行動データが活かされない。CRMやMAツールを介してデータを一元管理し、架電担当が直前の反応履歴を確認できる状態にしておくことが望ましいだろう。
よくある質問
Q. メール配信とテレアポはどちらを先にすべきか A. 一般的にはメールを先行させ、反応があった相手に電話をかける流れが多い。ただし業界や商材によっては電話を先にし、資料としてメールを後追いで送るほうが効果的な場合もある。
Q. 反応がない相手への架電は無意味か A. 一概には言えない。メールを見ていなくても、電話をきっかけに関心を持ってもらえるケースもある。ただし優先度としては反応者への架電を先に済ませるのが効率的だろう。
Q. どのくらいの頻度でメールを送ればよいか A. 過度な配信は迷惑と受け取られやすい。週1回程度を目安にしつつ、開封率や配信停止率を見ながら調整するのが一般的だ。
Q. 個人情報の取り扱いで気をつけることは A. メールアドレスや電話番号の管理には個人情報保護の観点からの配慮が必要になる。取得経路の適法性や利用目的の明示については、専門家に確認しながら運用を設計してほしい。