測量業務は土地家屋調査士や測量士といった有資格者が担う専門領域であり、営業活動と専門的な説明行為との境界が曖昧になりやすい。建設会社や不動産会社への継続的な受注開拓が必要な一方、資格者自らが営業に出向く余裕は乏しいのが実情だろう。
なぜ測量業界特有の営業の難しさがあるか
- 測量成果は専門知識がないと品質の違いが伝わりにくく、価格だけの比較になりがち
- 建設会社・不動産会社は既存の付き合いのある測量士事務所を継続利用する傾向が強く、新規参入のハードルが高い
- 案件は現場ごとにスポット発注されることが多く、継続的な関係構築が営業の主軸になる
営業代行に任せられる範囲と任せられない範囲
新規の建設会社・不動産会社へのアポイント獲得や、過去実績を用いた紹介資料の作成、定期的なフォローアップ架電などは委託しやすい業務とされる。一方で、測量方法や境界確定に関する専門的な説明、見積の技術的根拠の提示は資格者が直接担うべき領域として切り分けるのが妥当だろう。
ポイント:営業代行は「会う機会をつくる」までを担い、専門性を要する説明は資格者本人が引き継ぐ体制が現実的だ。
決裁者・発注担当者の特徴
建設会社では工事担当者や購買部門、不動産会社では開発担当者、官公庁では発注担当課が窓口になることが多い。
| 発注元 | 主な窓口 | 発注のきっかけ |
|---|---|---|
| 建設会社 | 工事担当・購買部門 | 着工前の測量ニーズ |
| 不動産会社 | 開発・仕入れ担当 | 土地取得前の境界確認 |
| 官公庁・自治体 | 発注担当課 | 公共工事に伴う測量入札 |
注意点・実務上のコツ
- 業法上、測量士でない者が測量業務そのものを行うことはできないとされ、営業代行の役割はあくまで機会創出にとどめる必要がある
- 見積提示のタイミングでは資格者の同席や確認を前提にする運用が望ましい
- 地域密着型の業界であるため、営業代行にもエリア特性の理解を求めたい
- 官公庁向けは入札公告のウォッチや資格審査対応など、民間企業向けとは異なる情報収集体制が要る
よくある質問
Q. 営業代行が現地調査の説明をしてもよいか。 A. 専門的な調査内容の説明は資格者が担うべきとされ、営業代行は同席や日程調整までにとどめるのが一般的だ。
Q. 見積書の作成も任せられるか。 A. 技術的根拠を伴う見積は資格者の確認を経る必要があり、営業代行はたたき台の作成支援までが現実的な範囲だろう。
Q. 官公庁向け営業と民間企業向け営業で進め方は変わるか。 A. 官公庁向けは入札公告のウォッチや資格審査対応が必要になる一方、民間企業向けは継続的な関係構築が中心となり、アプローチ設計を分けて考えたい。
Q. 地方の測量士事務所でも効果はあるか。 A. 地域内での関係構築が中心となる業界だけに、エリア特性を理解した営業代行であれば効果は見込めるだろう。