営業代行を、単なる業務の肩代わりとしてではなく、新卒・若手の実践的な育成の場として活用する。この発想が近年広がりを見せている。プロの営業担当への同行やロールプレイ支援を通じて、実案件の中でスキルを身につけさせる仕組みだ。

研修型営業代行の業務範囲

通常の営業代行との違いは、成果だけでなく「育成」という副次目的が明確に組み込まれている点にある。具体的には次のような支援が行われる。

  • ベテラン営業担当への若手の同行(帯同研修)
  • 実際の架電・商談を想定したロールプレイ指導
  • 商談後のフィードバック・振り返りセッション
  • 育成進捗のレポーティング

自社の教育担当が不足している企業にとって、外部のプロから直接学べる機会は貴重だろう。

育成コストを外部化するという発想

新卒・若手の育成には、教育担当者の工数、研修教材の整備、失敗案件によるロス機会など、目に見えにくいコストが多く発生する。これを丸ごと社内で抱え込むのではなく、実践経験豊富な代行会社に一部委ねる。それが育成コストの外部化という考え方だ。

ポイント:新卒育成を営業代行に組み込むことで、「教える人がいない」という中小企業特有の悩みを補える可能性がある。

もちろん、外部委託だけで育成が完結するわけではない。自社の企業文化や商材知識は社内でしか教えられない部分であり、外部研修と内部教育の役割分担を設計することが前提となる。

向いている企業・商材

営業マネージャーが不足していて、若手にOJTを提供する余裕がない成長期の企業に向くとされる。また、営業未経験の新卒を大量採用する企業にとっては、実案件を使った研修は座学よりも定着率が高いという声も聞かれる。

比較項目通常の営業代行研修型営業代行
主目的成果(受注・アポ)成果+人材育成
関わる自社人員最小限若手社員が同行・参加
評価軸業績指標業績指標+育成進捗

導入時の注意点

育成効果は定量化しにくいため、事前に「何をもって育成が進んだと判断するか」を代行会社とすり合わせておく必要がある。また、同行する若手社員のモチベーションや適性によって吸収度合いが変わるため、対象者選定も成果を左右する要素になるだろう。

よくある質問

Q. 新卒1人からでも依頼できますか。 A. 少人数から対応する会社もあるが、費用対効果の観点から数名単位の依頼が一般的だ。

Q. どのくらいの期間で効果が見えますか。 A. 目安として3ヶ月〜半年程度の継続的な同行で変化が見え始めるとされる。

Q. ロールプレイだけの依頼も可能ですか。 A. 実案件の同行を伴わない研修プランを用意している会社もある。

Q. 社内の教育担当と役割は重複しませんか。 A. 外部は実践スキル、社内は自社知識という分担にすると重複を避けやすい。