新規顧客を一人獲得するのにいくらかかっているか、正確に把握している企業は意外と少ない。CACという指標はその答えを可視化するものであり、営業戦略の効率を測る上で欠かせない視点になっている。ここでは基本的な考え方と、コストを見直す選択肢のひとつとしての営業代行活用について整理する。

CACとは何か

CAC(Customer Acquisition Cost)は、新規顧客を一人獲得するためにかかった総コストを示す指標だ。基本的な計算式は次の通りである。

CAC = 営業・マーケティングにかかった総コスト ÷ 新規獲得顧客数

ここでいうコストには、広告費だけでなく人件費や営業ツールの利用料なども含めて算出するのが一般的とされる。CACが高止まりしていると、事業の成長スピードに対してコストが見合わなくなるリスクがある。

ポイント:CACは単体で見るより、LTVとの比率で評価されることが多い。

CACが高くなりやすい要因

  • ターゲットが曖昧なまま広くアプローチしている
  • 商談化率や受注率が低く、無駄な工数がかかっている
  • 営業担当者の採用・育成コストが売上規模に見合っていない
  • リード獲得から受注までの期間が長期化している

こうした要因は複合的に絡み合っていることが多く、一つの施策だけで劇的に改善するとは限らない。

営業代行を活用する際の考え方

営業代行の活用は、固定費である人件費を変動費に変える選択肢として語られることが多い。自社採用の場合、育成期間や離職リスクを含めたコストが発生するのに対し、営業代行はあらかじめ定めた業務範囲・成果に応じたコスト設計がしやすい。特にリード獲得やアポイント設定といった、業務量が読みにくい工程を切り出す形で活用されるケースが目立つ。

一方で、代行費用そのものがCACに含まれる点には注意が必要だ。委託前後でCACを比較する際は、社内工数の削減分も含めて総合的に評価する視点が求められる。

比較軸自社採用営業代行活用
コスト構造固定費(人件費・育成費)成果や契約範囲に応じた変動費
立ち上げ速度採用・育成に時間を要する比較的短期間で稼働しやすい
ノウハウ蓄積社内に残りやすい契約内容次第で連携が必要

見直し時に押さえておきたい視点

CACを下げる目的が「コスト削減」だけに偏ると、獲得の質が落ち結果的にLTVが下がる本末転倒も起こりうる。ターゲットの絞り込みや商談プロセスの改善と合わせて、営業代行の活用範囲を検討することが望ましいとされている。

よくある質問

Q. 営業代行を使えば必ずCACは下がりますか A. 業務範囲やターゲット設定次第であり、必ずしも下がるとは限らないため事前の目標設定が重要とされる。

Q. CACの目安となる水準はありますか A. 業種やビジネスモデルによって大きく異なり、一般的な絶対値の目安は設定しにくいとされている。

Q. 営業代行と社内営業を併用するのは有効ですか A. 業務工程を分担する形で併用するケースも見られ、役割分担の明確化が成果を左右しやすい。

Q. CAC改善の効果はいつ頃見えてきますか A. 施策によって異なるが、数か月単位でのデータ蓄積をもとに評価するのが一般的な進め方とされる。