一つの商品やサービスを導入してもらった顧客に、関連する別の商品を提案するクロスセルは、アップセルと並んで既存顧客からの売上拡大策として位置づけられる。ただし設計を誤ると、顧客にとって的外れな提案になりやすい。ここではクロスセル提案の設計と、営業代行を組み込む際の実践ポイントを整理する。

クロスセルは「組み合わせの必然性」が肝

クロスセル提案が響くかどうかは、既存商品との組み合わせに必然性があるかどうかにかかっている。関連性の薄い商品を並べて紹介しても、顧客には唐突な売り込みとしか受け取られないだろう。

ポイント:クロスセルの設計は「顧客の業務フロー」を起点に考えると精度が上がりやすい。

例えば、ある業務システムを導入している顧客に対し、その業務の前後工程を効率化するツールを提案する、といった具合に、顧客の業務全体を俯瞰した設計が求められる。

設計のステップ

クロスセル提案を組み立てる際は、以下のような順序で検討すると整理しやすい。

  1. 既存商品の利用シーンと前後工程を洗い出す
  2. 前後工程に課題が生じやすい顧客層を特定する
  3. 課題解決に資する自社商品・サービスを組み合わせる
  4. 提案トークとタイミングを設計する

この設計段階は自社の商品知識と顧客理解が不可欠なため、社内で行うべき部分だ。一方、設計が固まった後の実行フェーズでは、営業代行の活用余地が広がる。

営業代行を組み込む実行フェーズ

設計済みのクロスセルシナリオに沿って、対象顧客への架電やアポ設定を営業代行に依頼する企業は多い。この際、次のような役割分担が現実的になる。

  • 自社:提案シナリオの設計、対象顧客リストの抽出
  • 営業代行:リストへの架電、関心度のヒアリング、アポ設定
  • 自社:具体的な提案内容の説明、クロージング

営業代行にはシナリオと想定問答をセットで渡すことで、顧客の反応を一定の精度で拾い上げてもらいやすくなる。

反応データを次の設計に活かす

クロスセル提案は一度で完成するものではなく、反応データをもとに継続的に見直すものだ。どの組み合わせで関心を示す顧客が多かったか、どのタイミングで断られやすいかといった情報を営業代行から吸い上げ、次のシナリオ設計に反映させる仕組みを作っておきたい。

よくある質問

Q. クロスセルとアップセルはどう使い分ければよいですか。 A. アップセルは同一商品の上位版、クロスセルは関連する別商品の提案という違いで整理すると分かりやすいとされる。

Q. クロスセル提案の設計も営業代行に任せられますか。 A. 商品知識と顧客業務への理解が必要なため、設計は自社で行い、実行部分を代行に任せる形が一般的とされる。

Q. どのくらいの頻度でクロスセル提案をしてよいものですか。 A. 頻度に明確な基準はないが、顧客の利用状況に変化があったタイミングを目安にする考え方がある。

Q. 反応が悪かった場合、シナリオはどう見直せばよいですか。 A. 断られた理由や反応の薄かったポイントを営業代行から詳しくヒアリングし、組み合わせやトークを調整する方法が有効とされる。