一度失注した案件は「終わった案件」として放置されがちだ。しかし失注理由の多くは「今は必要ない」「他社に決めた」といった時期的・状況的な要因であり、時間が経てば状況が変わっていることも少なくない。この埋もれた案件を掘り起こす取り組みに、営業代行を活用する動きがある。

失注案件が眠ったままになる理由

営業担当は新規案件の対応で手一杯になりやすく、過去の失注案件を定期的に見直す余裕がないことが多い。CRMに記録は残っていても、フォローの優先順位は下がりがちだ。

ポイント:失注案件の掘り起こしは「新規開拓よりコストが低い」場合があると言われる。一度接点があった相手だからこそ、再アプローチのハードルは比較的低い。

掘り起こしに向くタイミング

すべての失注案件を一律に掘り起こすのは非効率だ。以下のようなタイミングは、再アプローチの反応が得やすいとされる。

  • 失注理由が「予算」「時期尚早」だった案件の契約更新時期前後
  • 競合製品を選んだ案件の、その競合との契約更新が近づく時期
  • 自社商品に大きな機能追加やアップデートがあったタイミング
  • 担当者の異動・組織変更があったと推測される時期

営業代行に依頼する際の設計

失注案件の掘り起こしは、新規リストへのアプローチとは異なる配慮が必要だ。以下のような比較で整理できる。

項目新規アプローチ失注案件の掘り起こし
前提知識ほぼゼロから過去の提案内容・失注理由あり
トークの起点自己紹介・課題提起前回のやり取りへの言及
心理的ハードル警戒されやすい過去接点により低め

営業代行に依頼する場合は、案件ごとの過去の商談履歴や失注理由を整理したうえで渡す必要がある。情報が不足していると、せっかくの接点を活かせないまま、新規と同じようなトークになってしまう。

掘り起こし後の引き継ぎ

再アプローチで反応があった案件は、速やかに自社営業へ引き継ぐ体制を整えておきたい。失注理由が解消されているか、当時の担当者から状況が変わっているかなど、確認すべき事項をリスト化しておくと、引き継ぎ後の商談がスムーズに進みやすい。

よくある質問

Q. 失注してからどれくらい経った案件を掘り起こすべきですか。 A. 商材のライフサイクルによるが、半年〜1年程度を目安に見直す企業が多いとされる。

Q. 失注理由が「価格」だった案件も掘り起こす価値はありますか。 A. 予算状況が変わっている可能性があるため、時期を置いて再アプローチする価値はあるとされる。

Q. 営業代行にはどこまでの情報を共有すべきですか。 A. 過去の提案内容、失注理由、当時の担当者名まで共有すると、再アプローチの精度が上がりやすい。

Q. 掘り起こしの成果はどう測ればよいですか。 A. 再商談化率だけでなく、再アプローチ後にどの程度の期間で意思決定に至ったかも参考指標になる。