取引先選定においてCSR(企業の社会的責任)の観点を重視する企業が増える中、営業代行会社の障害者雇用状況もまた、委託先評価の一項目として意識され始めている。単なる法定雇用率の達成有無にとどまらず、どのような就労環境や配慮体制が整っているかまで踏み込んで確認する動きが、一部の企業では見られるようになった。

障害者雇用状況を確認する背景

障害者雇用促進法により、一定規模以上の企業には法定雇用率の達成義務がある。営業代行会社もこの対象に含まれるが、達成状況は企業ごとに差があるのが実情だ。委託元企業が自社のサプライチェーン全体でCSR評価を行う場合、委託先の雇用状況が間接的な評価材料になり得る。

  • 法定雇用率の達成状況(公表されている場合)
  • 障害特性に応じた業務設計の工夫(在宅勤務、業務内容の調整など)
  • 定着率・長期就労の実績
  • ダイバーシティ推進に関する社内方針の有無

確認の視点を整理する

視点確認内容
定量面雇用率の数値、対象人数
定性面業務設計・配慮体制の具体性
継続性定着率、離職理由の傾向
情報開示統合報告書やサステナビリティレポートの有無

数値だけを見るのではなく、実際にどのような配慮のもとで就労が継続されているかという定性的な情報の方が、実態を映し出す場合が多いだろう。

ポイント:法定雇用率の達成はあくまで最低ラインであり、そこから一歩進んだ「どう働き続けてもらっているか」という視点が、委託先の組織成熟度を測る手がかりになる。

委託先評価にどう組み込むか

障害者雇用状況を営業代行選定の絶対条件にすることは現実的ではないかもしれない。しかし、複数候補が僅差で並ぶような選定局面において、CSR・ダイバーシティへの取り組み姿勢が最終判断の一因となることは十分にあり得る。特に自社が上場企業や公共性の高い事業を営む場合、こうした観点の重要性は今後さらに増していくと考えられる。

よくある質問

Q. 障害者雇用率は営業代行会社に開示義務があるか A. 一定規模以上の企業では厚生労働省への報告義務があるが、一般公開までは義務付けられていない場合が多い。

Q. 雇用率が高ければ職場環境も良いと判断してよいか A. 数値だけでは判断が難しく、定着率や配慮体制など定性的な情報と合わせて評価するのが妥当だろう。

Q. 障害者雇用への取り組みが料金に反映されることはあるか A. 直接的な価格差につながるケースは多くないとされるが、組織運営の成熟度を測る指標として参考にはなる。

Q. この観点はどの規模の企業にとって重要か A. 特に上場企業やCSR報告が求められる企業にとって、委託先選定の一要素として重要性が高まりつつある。