DM(ダイレクトメール)を送るだけで反響を待つ時代は終わりつつある。多くの企業や個人の元には日々大量の郵便物が届き、開封されずに捨てられるDMも少なくない。反響率を大きく左右するのは、DMの内容そのものよりも、その後のフォローコールをどのタイミングで行うかだ。ここでは、DM×フォローコールの送付タイミング設計について解説する。
なぜDM単体では効果が薄いのか
DMは開封されたとしても、そこから行動に移してもらうまでのハードルが高い。「気になるけれど、後で連絡しよう」と思われた瞬間に、多くの場合そのまま忘れられてしまう。
- DMは一方通行の情報伝達であり、相手の疑問にその場で答えられない
- 開封されても、行動を起こすきっかけがなければ埋もれてしまう
- 大量の郵便物の中に紛れ、記憶に残りにくい
この「開封されても行動につながらない」という課題を解決するのが、到着直後のフォローコールだ。
フォローコールのタイミング設計
DMのフォローコールで最も重要なのが、架電するタイミングだ。
早すぎる場合
DM発送直後に架電すると、相手の手元にまだDMが届いていない可能性がある。「そんなもの届いていない」と不信感を持たれ、かえって印象を悪くしてしまう。
遅すぎる場合
DM到着から時間が経ちすぎると、相手はDMの内容を忘れてしまっている。届いたこと自体を覚えていないケースもあり、フォローコールの効果が薄れる。
理想的なタイミング
一般的には、DMが到着した直後から数日以内が最も効果的とされる。「先日お送りしたご案内が、ちょうどお手元に届いた頃かと思いご連絡しました」という切り口が成立するタイミングを狙うことが重要だ。
郵便物の配達日数は地域によって差があるため、発送日から一律の日数で架電するのではなく、配達予定日を考慮したスケジュール設計が望ましい。大量のDMを一斉発送する場合は、地域ごとに発送タイミングをずらし、架電の着手日を地域単位で管理する運用も効果的だ。
タイミング別の効果比較
| フォローのタイミング | 想定される反応 |
|---|---|
| 発送直後(届く前) | 「まだ届いていない」と不信感を持たれやすい |
| 到着直後〜数日以内 | DMの内容を覚えており、会話が成立しやすい |
| 到着から2週間以上経過 | 内容を忘れられており、効果が薄れる |
BtoBとBtoCでの設計の違い
DM×フォローコールは、ターゲットによって設計のポイントが変わる。
- BtoB向け:企業の代表電話や担当部署への取り次ぎが発生するため、「ご案内が届いた企業様へのご連絡です」という切り口が受付突破に効果的
- BtoC向け:個人宛のため直接本人につながりやすいが、着信への警戒心が強い時間帯(早朝・深夜・食事時間帯)を避けるなど、架電時間帯への配慮がより重要になる
反響率を高めるその他の工夫
タイミング以外にも、反響率に影響する要素がある。
- DMのデザインと訴求内容:フォローコールで触れやすい、具体的な訴求ポイントを盛り込んでおく
- 架電スクリプトとDMの内容の一致:DMで伝えた内容と矛盾しないトークを準備する
- 反応の記録と分析:どのタイミング・訴求で反応が良かったかをデータとして蓄積し、次回の設計に活かす
ポイント:DM×フォローコールの成果は、コール数を増やすことよりも「タイミングの精度」で大きく変わる。まずは配達日数の把握と、架電スケジュールの見直しから始めたい。
成果を数値で振り返る
DM×フォローコールの効果測定では、単純な反響率だけでなく、次のような指標を追うと改善のヒントが見えやすくなる。
- 架電時の受付突破率(DMに触れた際とそうでない際の比較)
- フォローコールからの商談化率
- タイミング別(到着当日・翌日・3日後など)の反応率の違い
これらを蓄積していくことで、自社の商材・ターゲットに最適なフォローのタイミングが見えてくる。
DMのコストとフォローコールの費用対効果
DMは印刷・封入・郵送費がかかるため、フォローコールをセットにすることで、送りっぱなしにするよりも投資対効果を高める狙いがある。DM単体の反響率が数%にとどまるケースでも、フォローコールを組み合わせることで反響率が数倍に向上した、という報告も珍しくない。DMの制作費だけで予算を使い切ってしまうのではなく、フォローコール分の予算もあらかじめ確保しておく設計が望ましい。
よくある質問
Q. フォローコールは何回まで行ってよいですか? A. 明確な回数の決まりはありませんが、一度で反応がなくても、時期や時間帯を変えて1〜2回程度の再アプローチを行うのが一般的です。過度な架電は逆効果になるため注意が必要です。
Q. DMの発送からフォローコールまで、具体的に何日空けるべきですか? A. 地域や郵便物の配達日数にもよりますが、発送から2〜4日後を目安に、配達予定日を考慮して調整するのが一般的です。
Q. BtoCの場合、架電してよい時間帯に決まりはありますか? A. 法律上の明確な規制は限定的ですが、早朝・深夜・食事時間帯を避けるなど、相手への配慮を踏まえた時間帯設定が望ましいとされています。
Q. DMとフォローコールを別々の会社に依頼してもよいですか? A. 可能ですが、DMの内容とフォローコールのトークに一貫性を持たせるため、同一会社、または密に連携できる体制を選ぶ方が効果が出やすくなります。
DMは送って終わりではなく、フォローコールとセットで設計して初めて本来の効果を発揮する。